MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

隠れた努力を感じる瞬間の感動

私の次男は高校2年生ですが、その通学する高校の文化祭に出かけてきました。

その高校の文化祭は、1年生と2年生はすべてのクラスが演劇を上演する珍しい文化祭です。3年生は大学受験を控えているので、2クラスが合同でひとつの劇を上演します。すべてを合わせると20程度の演目が1日に4回、2日間で合計160回上演されるというものです。この文化祭に参加したいがために、この高校を志望する中学生も多いらしく、その筋では(どんな筋かわかりませんが)有名な文化祭とのことです。演劇のほかにもいくつかの部活動の発表の場があり、すごい盛況ぶりです。

中には「サウンドオブミュージック」や「オペラ座の怪人」など有名な演目もあり、著作権に関してもきちんと許可をとっているそうで、まさに本格的な様相です。

製作はすべて高校生によって行われ、劇場は各教室です。ペンキを塗ったベニヤ板などで舞台やソデを作り、観客席は最前列は床に座り込み、後方は椅子や机を重ねて、狭い教室に80人ほどの観客を詰め込みます。消防法は大丈夫なのか、と余計な心配をしてしまいます。照明は天井の蛍光灯に加えて劇場用のスポットライトも設備され、まさにミニシアター顔負けです。

また各教室の廊下の壁には、演目の題名の力のこもったデコレーションが施されています。各演目は観客の劇に対する評価点とこれらの造作の審査点が加算されて、その総合得点を各組が競う仕組みのようです。だから学生さんはそれぞれの教室により多くのお客さんに入ってもらうため必死の声で勧誘するエネルギーと、作りこんだ造作と相まって、校内は手づくりブロードウェイの雰囲気となっていました。

実際の演劇といえば、高校生の文化祭ですから、大道具も小道具も衣装もとにかく最小限のコストでの手作りですから立派とは言えません。でも80分にわたる演劇は、出演者、音響や照明の担当とのチームワークはすばらしいものがありました。夏休み返上で準備をして、わずか1か月程度の時間で、よくここまで作り上げたものだと感銘を受けました。高校生が力を合わせて、これほどのものを作り上げるには、どれだけの時間に熱意と努力を重ねてきたのか。
それを思うと心を打たれます。「こいつら、本当にがんばったな」とこれまでに注がれた努力を感じ取ることができた瞬間に、見ていた人の心に感動が引き起こされます。

吹奏楽部の演奏を聴く機会にも恵まれました。50名あまりの高校1年、2年生たちが立派に演奏してくれました。夏休みに合宿に行って、一日12時間以上の練習を重ねてきたそうです。まだ中学を卒業して数か月の子供たちもいるのにすごいなあ、とびっくりです。聞くところによると、この吹奏楽部に入りたいために、この高校を受験する人たちが多いとのことです。

演劇にしても、吹奏楽にしても、高校生が力を合わせて努力して、ここまでのものを作り上げるとは、本当に驚きです。同時にわれわれも高校生に負けないように、もっとお客様に感動を与えられるような商品やサービスを目指して頑張らないといけないと思いました。

サッカー日本代表がオーストラリアに勝利して、ロシアワールドカップの出場権を手に入れました。21歳、22歳といった若い選手が大活躍した見事な試合でした。オーストラリアは強敵です。前線から猛ダッシュでボールを追いかけ、体格的に勝る相手のチャージを受けても倒れずにボールをキープし、数少ないチャンスをゴールにつなげてくれました。必死に戦う選手の姿にも感動があります。

高校生もプロのサッカー選手も人の心を動かす力があります。ショーケースづくりにも人の心を動かす力があるはずです。

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