4年に一度のサッカーワールドカップがフランスの優勝で閉幕しましたね。私にとっては寝不足との戦いがつらくもありましたが、とても楽しい1か月でした。
今大会直前まで日本チームの評判が芳しくなく、期待も小さかったようですが、フタを開けてみると、みなさんが知ってのとおり、今までにない盛り上がりとなりました。一次リーグの最終戦であるポーランドとの試合の最後の10分間の戦い方は物議を醸したようですが、みなさんはどのように感じましたか? 私は西野監督の勇気と決断力に驚きでした。結果として日本は一次リーグで「受けた警告の数」がセネガルよりも少ないというルール上の僅差で決勝トーナメントに進出できたわけです。セネガル対コロンビアの試合の様々な情報を収集・分析する仕組みを構築、準備して最終戦に臨み、残り10分で「セネガルはコロンビアから追加点を取れない」という判断を下して、あのような戦術を選択したのです。もしも万一、セネガルがコロンビアから1点取っていたら、日本は一次リーグ敗退でした。西野監督も袋叩きにあっていたでしょう。まさに紙一重の決断が功を奏したわけです。この薄氷の選択というか大きな重圧のなかでの決断力に感服します。
日本代表最後の一戦となったベルギーの試合については、ここでおさらいの必要はないでしょう。本当に素晴らしい試合内容でした。これで前述のポーランド戦の戦術選択についての物議は完全に霧消しました。評価が上がったのは、日本の戦い方と敗退後のロッカールームの姿でした。アジアの小国がヨーロッパのサッカー強国をまさに土俵際まで追い詰めた試合は、世界のサッカーファンの記憶に残ったことだと思います。試合終了寸前に決勝点を取られ、失意のどん底の状態にもかかわらず、ロッカールームをきれいに片づけ、「ありがとう」のメッセージカードを置いてある様子が、FIFA関係者のツイッターに投稿されたのが大きな話題となりました。試合後の多くのロッカールームは、相当汚された状態になるのだそうです。時には負けたチームが腹いせに器具を壊していくこともあるそうです。そのようなことが当たり前にもかかわらず、日本チームの姿勢が世界に評価されたようです。また日本のファンが試合後に観客席を掃除している姿も同様に世界に報道されたとのことです。
日本代表がワールドカップに優勝する日が訪れることを期待したいと思います。それだけサッカーが強くなって、そのプレーぶりが世界で評価され、同時に日本チームやファンが今回のようなプレー以外の面でも世界のリスペクトを集められるようになれば、本当にすばらしいとだと思います。
私たちもそういった日本人としてのDNAを示せるような仕事を目指していきましょう。