MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

「60年前の特撮が、今の社会に問いかけている」

 「ウルトラQ」という番組を知っていますか?円谷プロダクションが「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の前にTBSで放送した「ウルトラシリーズ」の最初の番組です。1966年に放送されていますので、今から60年前のもので、初めて特殊撮影を採用したドラマだったこともあり、当時の平均視聴率はなんと30%超えだったそうです。新聞のコラムでそのような記事を読み、懐かしさもあって、いくつかの話をAmazonで見てみました。画面はモノクロだし、現在のVFXと比べたら笑えてしまうこともありますが、どうしてどうしてそのテーマと内容は奥深いものがありました。

 そもそも「ウルトラQ」は子供向けの番組です。子供にはとても怖い番組です。小学校入学前の私の記憶も、「ウルトラQ」の文字が2つの渦巻きから浮かんでくる番組冒頭の場面がまず怖い。出てくる怪獣や異星人も怖い。お化け屋敷のような怖いもの見たさが子供を画面に引き付けたのでしょう。しかしドラマに示唆される内容は大人向けでした。1960年代といえば、終戦から10余年。まだまだ日本は貧しくて生活は苦しい。経済は成長していくのは大きな希望だが、公害や交通戦争、超満員の通勤電車など負の側面も大きい、そんな社会背景だったと思います。今回改めていくつかのエピソードを見て、大人にとって、重く苦しく、見る人ひとりひとりが違った受け止め方をし、考えさせられたり、厳しい現実に直面したり、時に希望を見出したりするのだと感じました。

 「ウルトラQ」で親しまれ、知名度の高い怪獣は「カネゴン」ではないでしょうか。カネゴンは他人の落としたお金を黙って拾っている人間が怪獣化したものです。カネゴンはお金を食べないと死んでしまいます。お金がなければ人間扱いされない悲しさを表現しています。また当時の日本経済は大きく成長していますが、貧困に苦しむ人たちも多く、お金だけが目的になってしまうと、人が人でなくなってしまう。そんなメッセージをコミカルに描いています。

 「海底原人ラゴン」は人類よりはるか以前から海底深くに生息し、知性と文化を持つ地球の先住民である「ラゴン」が地殻変動と海底火山の噴火によって、ある島の浅瀬に上げられ、孵化間近の卵が漁師の網にかかり、それを取り戻しに地上に現れます。島の人々から見ればラゴンは恐ろしい怪獣ですが、我が子を探しにきただけで、人に危害を加えるわけではありません。しかし人々はラゴンを排除しようとします。島民は文明、ラゴンは自然を象徴しているように感じます。われわれ人類は文化の発展のために自然を犠牲にしていいのか。まさに人類と自然の関係をどう考えるのかを、高度成長のこの時期にすでに投げかけられていたのでした。

 「2020年の挑戦」ではケムール人が登場します。カネゴン同様、ウルトラQを代表するキャラクターです。ケムール人は2020年の未来からやってきた将来の人間という設定です。高度に科学が発展した未来社会では、合理性が最優先され、人は人間らしさを失ったケムール人と化してしまっています。そこで未来を立て直すために、1966年の人間らしい人間を誘拐しに来るというお話です。科学の発達した未来は人類や社会、地球の発展やしあわせと直結しているのかと問いかけているのです。昨今、著しい発展をしているAi、高度な軍事兵器は未来のしあわせにつながっていくのか、そのような疑問、問いかけをしたくなります。

 ウルトラQはすべてのエピソードに深いテーマが描かれています。興味を持った人はぜひ視聴してみてください。私たち自身の仕事や社会の在り方を考えるヒントにもなりそうです。

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