MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

選挙と報道から感じること

先月に衆議院議員選挙が行われましたが、それについて感じたことをお伝えしたい思います。

安倍首相が解散を宣言し、直後に小池東京都知事が「希望の党」を立ち上げ、民進党は分散状態となり希望に合流する人がいれば、枝野氏が立憲民主党を立ち上げたりと、目まぐるしく展開したのは記憶に新しいところです。

この過程で「排除」という言葉がクローズアップされましたね。私が理解している範囲で簡単にまとめると、政権奪取を目標に掲げた民進党の前原代表が、都議選で大勝利した小池氏と合流して一気に勢力拡大を画策した。しかし民進党内には、この選挙のポイントのひとつになっている憲法問題に関して、改憲派と現行9条存続派が混在していて、どちらかに意見をまとめるのはとても無理な状態。合流を持ちかけられた小池氏はもともと改憲派なので、
存続派を受け入れることは希望の方針と大きく異なるので、存続派を「排除」すると発言して大炎上。小池人気は一気に失速して結果はみなさんのご存じのとおりです。

人を「排除」するという表現はかなりきつい印象を受けます。ただ意見を異にする人たちが政権奪取のためだけに集合してもうまくいかないことは、民主党・民進党という事例を目の当たりにしてきたのですから、基本理念や考え方、志を共有できるメンバーとともに政治活動を行ないたいという考えは当たり前ではないかと思います。会社も同じで理念やビジョンに共感できない、ましてや正反対の考え方の人がいたら組織はうまく機能せず、成果や利益をあげるのは不可能です。だから小池氏は同じ考え方のメンバーと政党を組みたいと考えて、異なる意見のメンバーを「排除」したいと発言するのは筋の通った考えではないかと思います。しかし「排除」発言の報道を見ていると、人気急上昇中の女性リーダーがきつい言葉を使う独裁者のような印象を意図的に作り上げられているような感じを受けます。

選挙中には安倍首相が「私は、選挙に勝つためなら何をしてもいい、そんな人たちに負けるわけにいかないのです」と演説したそうです。一部のテレビ局では後半を削除して「私は選挙に勝つためなら何をしてもいい」という部分のみを電波に乗せたそうです。
これは明らかにおかしな報道ですし、発信側の意図があります。そのあたりはマスコミに関わる人たちからすれば「おれたちが大衆の意見を作り上げるのだ」という醍醐味なのかもしれません(ちょっと曲がった見かたかもしれませんが)。テレビやネットのニュースを全面的に信用するのは危険なようです。やはり多かれ少なかれ発信者の意図が入り込んできているのだという前提で受け止めなければならない思います。

どの政党がいいとか、テレビ局はまかりならん、とか言うつもりはありません。大切なのは私たちひとりひとりが一次情報(自分で見たり聞いたりしたこと)を大切にして、二次情報(人から聞いたこと・マスコミから得たもの等)を判断する必要があるということです。
これはたとえば身近で起きたことや仕事上の出来事に関しても同様で、人からの伝聞や意見をどう解釈していくかが重要だと思うのです。発生した事実や原因をしっかり追究しないで、人からの伝聞をうのみにしてしまうと誤った理解や判断につながってしまう可能性が大きくなります。それによってうまくいくべきものがうまくいかなかったり、場合によっては人を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
伝える側は誰が受け止めても同じように理解できるような性格でわかりやすい発信を、受信側は偏りや先入観に左右されない見識を持ち、公正な受けとめ方が大切だと思います。改めて肝に銘じておきたいですね。

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