MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

結果とプロセス

テニス

 テニスのフランスオープン大会で日本の加藤未唯選手が危険行為で失格になってしまったというできごとがありました。女子ダブルス3回戦でプレーが途切れたタイミングで相手コートに返球したボールが直接ボールガールに当たってしまい、これが危険行為とみなされて失格となってしまったのです。ネット上で動画が行きかい、マスコミでも報道され物議をかもしたようです。

 動画を見ていると、加藤選手がラケットで打った返球は少し強いというか、遠くに飛ばしすぎた印象を受けます。返球ですからもっと軽く転がす程度でも十分だったようにも思います。しかしながらよけきれないほどの強いボールかといえば、全然そんなことはありませんが、ボールガールはサーブのためのボールを対戦相手の選手に掲げていた様子で、加藤選手の返球が視野に入っていなかったような感じでした。

 この一連のできごとに対して主審は加藤選手に「警告」を与えたそうですが、対戦相手の選手が「危険行為」だと抗議に詰め寄り、その結果スーパーバイザーや審判が呼ばれて、最終的に「失格」が告げられたそうです。

 この顛末を見て、テニスにはさほど詳しくないけどスポーツが好きな一般人としての私個人の感想は、故意ではなく、ましてや悪意は全くない不運のできごとだし、加藤選手もぶつけたボールガールに素直に謝っているのだから、そこはスポーツマンシップに則り主審の判断である「警告」を対戦相手の選手も含めてみんなが受け入れて試合を継続するのが、誰もが納得しわだかまりの残らないフェアな判断ではないかと思います。

 しかし選手はプロです。4大大会の結果はランキングや賞金に大きく影響します。他の大会のシードにも関わります。そうなると一戦一戦の結果がとても貴重となり、勝利のためにはあらゆる努力を注ぎ込まなくてはなりません。メンタルやフィジカルのコンディションづくりは当然として、ゲームの戦略をどう組み立てるのかなど、その延長線上にルールブックの解釈に言及することもプロフェッショナルの勝利への追求だと理解できます。「こっちだって生きるために死に物狂いでやってんだよ。プロはそんな甘い世界じゃないんだよ」という感じでしょうか。

 このできごとに関して、様々な意見が飛び交っているようです。あなたはどのように感じますか?

 きれいごとを並べたって、試合に負ければ結果は残らない。勝つためには何でもやるぞという姿も現実にあります。学生のアメリカンフットボールの試合で意図的に相手のQBにけがをさせるような危険なプレーを指示した監督と実行した選手が世間の非難を浴びたこともありました。甲子園でゴジラ松井に連続敬遠を指示した対戦相手もありました。

 一方、マラソンの松田瑞生選手がレース中にドリンクを取れなかったライバル選手に自分のドリンクを手渡したことは、この通信でもとり上げたことがありました。

 スポーツもビジネスも結果・成果が問われます。それがすべてといっても過言ではありません。しかしどのような手を使ってもいいわけではありませんし、きれいごとを並べて結果を出せない言い訳であってもなりません。

 やはり一般人である私たちは日々の地道な積み重ねで実力を養い、いざという時は誰もが納得できる方法で現場・現実に臨んで勝利を手にしたいと思います。

 最後に。女子ダブルスで失格した加藤選手はミックスダブルスで見事優勝を飾りました。鍛え抜かれたメンタルと技術は一流のプロだと感銘しました。タフです。すごい!

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