MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

私たちの仕事の意味とは

笑顔

 先月の当通信で「大東亜戦争」についてお伝えし、その内容をもとにグループ朝礼で討議していただきました。みなさんの話の中で、特攻隊や硫黄島での戦いに言及する声がありました。そこから私自身、「勝ち目のない状況下で命を捧げた行動の背景には、何があったのか?」という新たな問いを感じるようになりました。

 特攻や硫黄島などの戦いにおいて命を投げ出した先人たちは、もちろん「国家のため」「天皇陛下のため」という思いや、当時の社会の空気に押された背景もあったでしょう。でも私は、それだけではなく、心の奥には「家族を守りたい」「大切な人の命を守りたい」という強い思いが、国家のために行動することが家族を守ることなると考え、そしてあのような行動につながったのではないかと想像するのです。

 今の日本社会は、幸いにも命の危険にさらされるような環境ではありません。だからこそ、「何のために生きるのか」「誰のために働くのか」といった問いに、明確な答えを見つけにくい時代とも言えます。こうした時代だからこそ、特に私たちのような中小企業では、「自分の仕事にはどんな意味があるのか」「私はこの職場で何を成し遂げたいのか」という“意味付け”を自ら明確にしていくことが、とても重要になってきているように思います。

 実際、最近のマスコミによる調査では、若い世代ほど「自己成長」や「社会貢献」に対する意識が高まっているという結果が出ているそうです。「会社に不満はないが、この環境で自分は成長できるのか、という不安がある」というのです。言葉を替えれば、「誰かの役に立っている」「社会の中で自分の存在価値を感じる」ことができないと不安を感じるのです。こういう面では社会人として先輩の私たちの心構えを改めなければいけないと強く感じます。

 だからこそ、職場で「誰のために」「何のために働いているのか」という想いを共有することが、個人のやる気を引き出し、組織の活力を生む上でますます大切になっているのだと感じます。

 私たちが手がける冷蔵ショーケースも、単に“物を冷やす装置”に過ぎないかもしれません。しかし実際には、それを導入される洋菓子店さんや販売店さんの売場の一部となり、来店されたお客様が「きれいだな」「どれにしようかな」「これをプレゼントにしよう」と感じる、幸せな時間にそっと寄り添っているのです。

 つまり私たちは、単なる“冷やす箱”を作っているのではなく、「おいしさと美しさが伝わる空間」や「買う喜び・贈る喜びを支える舞台」を生み出しているのです。そのためには高い技術は必須ですが、ひとつひとつの製品に技術に負けないくらいの“心”や“思い”が込められていなければ、お客様の心には響きません。

 だからこそ私たちは、「目くばり・気くばり・心くばり」という、人としての基本を大切にしながら、ものづくりに向き合う必要があります。そこにこそ、私たちの付加価値があるのです。

 松下幸之助さんは「みんなに愛される仕事をしなさい」と語りました。愛される仕事とは、つまり「誰かの役に立っている」と実感できる仕事だと思うのです。自分の努力が、知らない誰かを喜ばせ、安心させ、幸せにしている――そう実感できる時、人は本当のやりがいと誇りを感じるのだと思います。

 どんな立場であっても、「自分の仕事が誰につながっているのか」を感じながら働くことで、人は自然と成長していきます。そしてその成長がまた、次の誰かを支える力になります。そうした“幸せの循環”を生み出せる会社でありたいと、私は願っています。

 私たちがつくっているのは、ただのショーケースではありません。その先にある「笑顔の時間」や「喜びの瞬間」を、一緒に生み出しているという自負を、一人ひとりが持ってくれたらうれしいです。

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