MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

素直さを考える

雪

先日のグループ朝礼では「素直」についていろいろ議論をしてもらいましたね。様々な見解があると思いますが、それもそのはず、私たち一人一人は年齢も性別も育った環境もすべて違うのですから、自分と同じ人は二人といないのです。だから「あの人とはAについては意見が合うけど、Bでは見方が全然違う」なんてことが当然のように起こるわけです。自分と全く同じ考え方の人は存在しない、このことが「素直」を考える上での前提条件になるように思います。

 自分とは異なる意見にぶつかるとほとんど本能的に自分の頭の中でその意見を否定したり排除しようとします。自分の中で「正しい」と思い込んでいる要因は、今までの経験や知識である場合がほとんどです。さらに困ったことに、先にインプットされた情報が正しいと信じ込む人間の脳のクセにもあります。野村監督のところで学んだように「固定観念は悪、先入観は罪」という言葉と意味は同じです。この脳のクセを知っておかないと「素直」を理解する障害になってきます。ぜひ憶えておいてください。

 また一方では他人から意見されたことを盲目的に正しいと信じ込んでしまう場合もあります。年長者の意見、経験豊富な人の話など、その傾向が強いですよね。「なるほど!」と納得できるものはいいとしても、「?」マークの付いた内容にもかかわらず「先輩がそう言ったから」という理由だけで受け入れてしまったことはありませんか?

 いずれにしても自分の見解と違ったものに出くわしたときにどうしたらいいのか。すぐに否定するのも、盲目的に受け入れることも得策では無いようです。こういう時にはまず一旦「受け止める」ことが大切なようです。科学者の武田邦彦さんは「脳の一部に空スペースを持つ」と表現されていました。自分とは異なる意見に出くわしたならば、その意見を否定も肯定もせずにそのスペースで受け止め、それは自分が先に所持していた考え方とどう違うのかを冷静に考え、この場合にふさわしい対応を判断していくことが大切だとのことです。「こういう考え方もあるんだ」と新たな学びを得ることができますし、組織の中ではお互いの意見の相違点を話し合って新たな考え方を導き出すことで相互理解を深め、チームワークをより良くしていくことも必要となるでしょう。

 素直とは自分と異なる意見を一旦受け止め、先に手に入れた情報に振り回されることなく冷静に考え判断し、自分の成長や組織の成長というより良い「解」につなげていくということになるようです。

 そうすると重要なのは受け止め用の「脳の空スペース」をより大きくすることになります。このスペースが小さい人は「頑固者」になってしまいます。大阪にあるお寿司屋さんの店名のように、それが商品やサービスの高付加価値をイメージできるならばいいのですが、多くの場合は他の意見を受け付けずに自分を小さな枠にはめ込んでそれ以上の成長を拒否する姿勢になっているよに思います。武田先生曰く、勉強嫌いの人ほど脳の受け止めスペースがすぐいっぱいになってしまう傾向が強いと解説されていました。私たちが学んだり勉強する目的のひとつはこの「スペース」を大きくすることと言えそうです。

 人の意見に耳を傾け、異なる考え方を糧にさらに自己や組織を成長させるには「脳の受け止め用スペース」を大きくすること。そのために社会情勢、経済状況などのマクロの事柄、社内の課題や自分のスキルといった目の前の仕事に関するミクロの事柄、これらについて日々勉強していくことが「素直」を体現していくことになるようです。あなたはどのように考えますか?

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