MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

ロストフの空を忘れるな

今回もサッカーネタで恐縮ですが、今年のワールドカップで日本代表がベルギーに決勝トーナメントの初戦で2対3で敗れたことを覚えている人も多いことと思います。試合終了直前に3点目を失点して敗れたわけですが、試合の後に西野監督が選手やスタッフに向けての言葉です。その3点目の失点を特集した番組を見て、いろいろと感じるものがありました。

ベルギーは欧州の小国ですが、サッカーでは以前より優秀な選手を多数輩出する強国です。特に今回のチームは欧州各国で活躍する選手が集結し、優勝候補の一角にも挙げられたチームです。このチームを相手に日本代表は後半開始早々に2点を連取し、2対0とリードを奪います。

後半20分過ぎに、経験豊かな長谷部選手がミドルパスを出そうとしたのですが、あらぬことか蹴られたボールは近くにいた香川選手にぶつかって相手に奪われてしまいます。このミスがきっかけとなり、その1分後に実にアンラッキーな失点をしてしまうのです。大舞台では、普段では考えられないようなミスが引き金となって大きく試合の流れが変わってしまうことがあります。そして数分後には同点ゴールを決め、試合を振り出しに戻します。

試合は90分を超え、アディショナルタイムに入ります。好位置で日本がフリーキックを得ます。このあたりの位置からは本田選手は何度もゴールを決めています。キックされたボールは無回転ですばらしいコースに飛びますが、大会最優秀ゴールキーパーになったクルトワ選手が見事なセービングでコーナーキックに逃れます。時間的にこのコーナーキックがラストプレーです。延長戦突入も濃厚です。コーナーキックからは1次リーグのコロンビア戦で決勝ゴールを決めています。期待は広がりますが、本田選手が蹴ったボールは相手ゴールキーパーに読まれていました。クルトワ選手はキャッチすると、すでに走り出したデブルイネ選手にすばやくパス。デブルイネ選手は高速ドリブルでピッチを激走。迎え撃つ山口選手を巧みにかわして右を走るムニエ選手にパス、そのあとルカク選手がスルーしてシャドリ選手の決勝ゴールとつながるのです。

振り返ればさまざまなことが反省されます。1点目の失点のきっかけを作ってしまった長谷部選手は、あのワンプレーが気の緩みで起こってしまったのか、何なのか、その自問自答に苦しみます。しかし常に完璧を継続することは何事においても不可能です。現実がいかに酷であるのかと実感します。吉田選手は、本田選手のコーナーキックをキャッチした瞬間にゴールキーパーにチャージして、警告を受けてもプレーをストップすべきだったと振り返っています。それをできずに一瞬下を向いたわずか1秒にも満たない時間のロスがベルギーの最後の攻撃を食い止められなかったのだと。デブルイネ選手の高速ドリブルを山口選手は退場処分を覚悟してファウルで止めるべき選択肢はあったのではないかと元日本代表監督のオシム氏が指摘していました。吉田選手にしても山口選手にしても故意的にファウルはしませんでした。そのメンタリティは日本人特有なものだと、オシム氏は言葉を続けました。思い返せば、決勝トーナメントに進出できたのは警告数がコロンビアよりも少ないことが最終要因だったのです。これをどのように理解し受けとめるべきでしょうか。ベルギーの選手の一言が響きます。「われわれは(日本と同じように)美しいサッカーを目指している」。

日本代表は史上初のベスト8進出は夢と散りました。選手の失望感、無力感、喪失感は想像をはるかに超えるものでしょう。

1983年10月。カタール・ドーハの地で、同じように終了間際に失点して目の前まで迫ったワールドカップ初出場の栄冠をつかめませんでした。一人のサッカーファンである私ですら大きなショックでした。選手であったカズやラモスの気持ちは・・。

25年後、日本のサッカーは大きく成長しました。ドーハの悲劇があったからこそ今日の姿がある、と断言することができます。今回の失意は必ず将来の成長へとつながるはずです。

スポーツも人も会社も、様々な試練を乗り越えて成長や進歩があります。目の前の失意や悲しみや怒りなどを成長のパワーに変えて、美しい花を咲かせるよう前進していきたいと思います。

 

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