MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

三丁目の夕日 一気見しました

夕日

 「映画『ALWAYS 三丁目の夕日』三部作を時々見ては勇気をもらっている」と言う友人の言葉に影響され、改めて3作を一気見してみました。そこで語られているのは「健全な価値観で努力すれば人生は成功する」という力強いメッセージでした。昭和30年代の東京・下町を舞台にしたこの物語では、当時の庶民の生活がエネルギーと希望にあふれた姿で描かれており、見る者の胸に深く響いてきます。

 戦後の混乱がまだ残るこの時代、人々は決して豊かとは言えない暮らしの中でも、前向きに明日を見つめ、たくましく生きていました。商店街のにぎわいや子どもたちの笑顔、家族やご近所同士の温かいつながりなどが、生き生きと描写されており、日本人の持つ誠実さや思いやりが画面の隅々から伝わってきます。「永遠のゼロ」や「ゴジラ-1.0」にも通じる山崎貴監督ならではのすばらしいメッセージです。

 第1作では、集団就職で東京に出てきた六ちゃんと、鈴木オートの社長とのやりとりが印象的です。お互いに不信感を抱き、「ウソつき!」と言い合いますが、それは誤解が原因とわかると鈴木社長が六ちゃんに謝りながら、自動車業界の将来に対する希望とビジョンを力強く語る場面があります。夢を持つことのすばらしさと、成長への生き生きとした期待、真面目に働くことの尊さや日本人の強さは心に響きます。それはまさに、健全な価値観に基づいて努力を重ねることの意義を象徴しているようでした。

 また、ピエール瀧さんが演じる氷屋の人物も、シリーズを通じてちょい役ですが、実に印象深く描かれています。電気冷蔵庫の普及とともに氷の需要が減少する中で、彼は現実と向き合い、職業を新たなものへと変えていきます。時代の変化に対応し、自らの力で生計を立てていく柔軟性と行動力に、大きな勇気をもらいました。これもまた、誠実に働くことの価値と、日本人の勤勉さを体現する姿だと思います。

 そして、物語の背景にいつもそびえる東京タワーの存在も、見逃せません。東京タワーは、成長する日本の象徴として描かれ、人々の生活を見守るように静かに佇んでいます。登場人物たちが東京タワーを見上げる姿からは、「いつか自分も前に進んでいける」という希望が感じられ、観る者に勇気を与えてくれます。

 この三部作に登場する人物たちは、皆、根っからの「いい人」ばかりです。困っている人がいれば手を差し伸べ、時には失敗しても、互いに支え合い、笑い合う。そこには、日本人が大切にしてきた心の豊かさや、地域コミュニティの温かさが息づいています。経済的な豊かさも大切だが、人と人とのつながりこそが、本当の幸せではないかという価値観が、作品全体に込められています。

 なかでも、三作を通じて描かれる六ちゃんの成長は、まさに日本の成長と重なります。見知らぬ土地での生活に不安を抱えながらも、鈴木家の一員として真面目に働き、少しずつ自信をつけ、やがて頼りにされる存在へと成長していく姿は、とてもたくましく、多くの人に励みを与えていきます。たとえ最初は素人でも、誠実に努力を重ねていけば、人生は確かに前へ進み、しあわせを手にしていくのだと、彼女の成長が教えてくれます。

 「三丁目の夕日」三部作は、単なる昭和ノスタルジーにとどまらず、人間の誠実さ、努力、力強さ、そして思いやりの心が人生を豊かにすることを教えてくれる、心温まる作品でした。時代が変わっても忘れてはならない価値観を改めて学びたいと思います。

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