3月の理念と経営カレンダーの質問で組織について問われました。いい組織とはどんな要素がありますか?という内容について角度を変えた質問がいくつか投げかけられました。
「風通しの良いことが大切」
「報連相がしっかりしていないと組織が機能せず仕事はうまくいかない」
「同じ目標を持っているべき」
などの回答が発表されました。
組織論では一般的に3つの要素が不可欠と言われています。
風通しがよく、何かあればすぐ相談できる雰囲気、仕事をチームプレーでスムースに効率的に行なうには質の高い報連相が欠かせないとみなさんが認識しているように、まず大切なのは「コミュニケーション」です。正確に伝える、正確に受け止めることの大切さを日々感じることが多いと思います。何を伝えたかではなく、何が伝わったが重要、という言葉がそれを象徴しています。グループ朝礼や終礼は、必要な情報を共有する場であり、コミュニケーション能力をトレーニングする場でもあります。能力やスキルというのは後天的に身につけるものですから、スポーツなどと同じように、技術レベルを上げるにはしっかり練習を重ねることが求められます。
2つ目は「共通の目的」です。小さな会社とはいえ、わが社ではパートさんを含めて50人以上の人たちが働いてくれています。それぞれのかたがたが日々力を注いでくれています。もしバラバラの方向を目指していたら、あるいはやみくもに力を出すだけであったならば、成果は上がりようがありません。やはり全員が同じ方向・目標に向かって力を注がないといけませんよね。わが社では経営理念を共通の目的として掲げて、方向性を明確にしています。「製品の高品質」「お客様と社員相互の信頼」「お客様とわが社の商売繁盛」を目的とします。これらを理解しつつ、所属部署によって、主にどの目的を達成するために尽力するのか。そのためにどのような行動や気持ちを心がけるべきかを、改定した理念体系にはなるべくわかりやすく表現したつもりです。
3つ目は「協働の自発性」というものです。すごく基礎的でありながら、これがないと組織は機能しないのです。「仲間と一緒に協力して成果を上げるために自ら積極的に仕事をしていこう」という気持ちや意識のことをいいます。組織を構成するひとりひとりが自ら動こうとするエンジンを持っていないと、共通の目的は絵に描いた餅であり、コミュニケーションも活性化せず、成果は上がらないのはお分かりいただけると思います。
この「協働の自発性」を高めていくには「give&give&give」の精神だと思うのです。まず周りの人やお客様に対してできることを自分から行動することです。「give and take」という言葉がありますが、なぜgiveが先なのでしょう。なぜ「take and give」ではないのでしょうか。さらに理解しやすく表現すれば「give and be given」となると思います。自ら動けば、周りは応えてくれる。自ら動けばお客様は必ず応えてくれる。自分は何もせずに「やってくれたらオレもやるぜ」ではなかなかうまくいきません。
「give&give&give」は「目くばり気くばり心くばり」にも通じると思います。周りに対してこの「三くばり」でgiveしていく「私」の行動力が、組織の「協働の自発性」を高め、「共通の目的」に向かって、より活発な「コミュニケーション」を生みだすと思います。そのような組織の活性化が、本当の意味での高品質・信頼・商売繁盛を作り上げていくのではないかと思うのです。