MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

「有道得財、和気生財」

ひまわり

 理念と経営6月号の国際大学の伊丹学長とレンゴー株式会社の大坪会長の対談記事を読んでもらいましたね。みなさんへの設問は「五省」について回答してもらいました。

 五省とは①誠実であったか、②言行不一致は無かったか、③気力は十分だったか、④努力を怠っていなかったか、⑤ズルをしなかったか、という5つを自らに向けて問いかける言葉です。なかなか厳しい問いかけです。

 そもそも動物は楽な方を選択する本能があります。野生の動物は安定して食べものを摂ることができないのが普通です。故に必要なこと以外にはエネルギーの消費を最小限に抑えることが、生命を維持する手段のひとつです。だから人間も放っておくと無意識のうちに楽なほうを選択します。余計なこと、ましてや辛いことなど進んでやろうとはしないのが本能です。私たちは本来そういう脳の構造を持っていると自覚することが第一歩です。

 そういうことに意識を向けずに五省に回答すると、自分に甘い評価のものになって不思議はありません。「まじめにやったし、言ったことはやった。それなりにがんばったし、インチキはしなかった。よしよし。」こんな感じでしょうか。

 しかしながら人間の脳には大脳新皮質という「人間脳」がありますから、「もっと成長したい」とか「成功したい」などの欲求もまた人間的です。これには個人差がありますから、人によっては前述の本能が勝って「他人に厳しく、自分に甘く」が顕著な場合もあれば、逆にやたらストイックに完璧を求める人もいます。

 完璧を求めることはすばらしいと思います。しかし誰もができることではありません。私にはとても塩沼亮潤さん(何度も理念と経営誌に登場された大阿闍梨様です)のような修業は絶対に務まりません。凡人ゆえに五省に対しては、「人間ですから5つを毎日実行し続けるのはなかなか難しいですが、少なくともいつも心に据えて仕事をしていこうということです。」という一文にとても共感します。まず自分は放っておくと易きに流れてしまうので、五省を心に据えることで、自分に厳しく他人にやさしくできるようにしよう、と意識することを忘れないようにしたいと思います。

 また文中に「有道得財和気生財」という言葉が紹介されています。「ゆうどうとくざい、わきしょうざい」と読みますが、「財を得るには道があり、良好な人間関係が財を生む」という意味と解説されています。我々の仕事が繁盛し、利益を上げ、個人としてもその恩恵を受けるには良好な人間関係、チームワークが必要と理解できます。「財」はお金に代表される経済的なものと、自分や組織の成長という精神的なものがあるのだと思います。「財」を得れないのは、まだまだ人間関係が良好ではないということ。相互理解やコミュニケーションが不十分であるということです。

 さらには、ひとりひとりがいろんなことに配慮してひと手間を惜しまないという「一配慮・一手間」が日本文化の優れた点だと説明されています。せっかく日本人として生まれ、日本文化の中で過ごしてきたのですから、このアドバンテージを活かすことに意識を向けることを忘れてはいないか、もう一度確認してみましょう。

 五省を心に据えて、今日一日の仕事や自分自身を振り返ると、様々な気づきがきっとあるはずです。気づきは進歩・成長の原動力でもあります。そして「目くばり、気くばり、心くばり」が実は日本人の文化の強みであり、それによって培われる良好な人間関係が「財」を成していくのです。

 この点をもう一度、この記事から学び取っていきたいと思います。

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