MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

見えない黒船に挑む

理念と経営9月号の遠藤功氏の「SPGH戦略」についてみなさんの意見をいただきましたが、それをベースに私の考えをお伝えしていきたいと思います。

 冒頭に「新型コロナは目に見えない黒船だ」との一言があります。すでにこの黒船によって退場を余儀なくされた企業もあり、逆に大きく飛躍した会社もあります。いずれにしても新たな様式を生み出す大きな変化であることはまちがいありません。私たちはこの大きな変化をどのように乗り越えていくのか、それはSPGH戦略にかかっています。

 まずS=サバイバル戦略です。需要の縮小に会社の身の丈を合わせよ、とありますが、例えば世田谷事務所を廃止して経理業務を在宅化したり、営業活動にリモートを積極的に活用して事務所内で行なっていた業務を社外で行なえるようにしました。ダウンサイジング、特に人員のスリム化とコストの変動費化は連動しなくてはなりませんので、製造業としては慎重に進めなくてはなりません。

 それ以上に重要なことは2番目のP=生産性の向上になってくると思います。これは全社どこの部門についても当てはまります。例えば全体会議などをリモートで行なうようになりましたから、大阪・九州からの移動費用や時間の節約、大阪支店の業務のかたがたも参加できるようになったので情報の共有も幅広くなり、会議自体に費やす時間も効率化されている感じがします。反面、人同士としての意思疎通がリアル対面ほど円滑でないデメリットを自覚したうえで、それを克服していく工夫は必要になるでしょう。また勤怠管理において各自のタイムカードを手入力している現状作業や、売価見積算出上必要な原価把握に業務や資材において多くの時間と労力が費やされている現状など、仕組みができていないために発生するもったいない無駄がまだまだたくさんあるはずです。

 そして最大の無駄は「自爆テロ」です。つまり私たちがしっかり目くばり・気くばり・心くばりができていれば回避できた無駄です。書類不備、連絡忘れ、誤伝達、誤理解、先読み不足、過去の痛い経験の再発など、これらによる二重手間や再製作がどれだけ多いことか。デジタル化で解決できる課題は早急に進め、人為的起因の課題には私たちの行動と思考の習慣を変革することが生産性を向上させることになります。

 3番目のG=成長。アジャイル方式を徹底していきたいと思います。思い付きを深く考えずにいきなり行動化することは真の意味のアジャイルではないことはお分かりいただけると思います。これまで温めてきたコーヒーケースやスマートフードカバーを始めとするチャレンジは勇気をもって進めていきます。珈琲焙煎業や製パン業、ホテルや飲食業への需要が開拓できるかどうか挑戦です。完成形となるにはまだまだ試行錯誤が必要でしょう。しかしお菓子業界だけではもはや目標とする売上・粗利を確保が困難な現実を踏まえ、弱音を吐かずに成功まで導かなければなりません。もちろんメイン顧客はお菓子業界ですから、こちらはさらに深堀していかなくてはなりません。引き続きPAOS、CLAS、PCIの浸透を図るべく発信力を強化していきます。

 4つ目のH=人財についてです。「新たなレールを敷くことができる人材」とありますが、わが社の場合は私たち全員が、これまで述べてきたSPGの戦略をしっかり理解し行動に移せる人材がそれに該当すると考えます。デジタルを生かすための準備作業に取り組み、生産性の向上には目くばり・気くばり・心くばりを習慣として身に付けていき、既存マーケットの深堀と新規マーケット開拓へ挑戦する。これが「黒船」に立ち向かっていくわが社の戦略です。

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